羽子板
一昨日は凧あげの話を書いたけれど
今日は羽子板の話。
お正月に凧あげとか羽子板をやるかどうか
生徒たちに訊いてみたら
ほとんどがやらないって返事だった。
でも、凧あげや羽子板のことはみんな知っていた。
さて、
伝統ある「押絵羽子板」を制作する西山鴻月氏。
百年先でも持ちこたえる羽子板を作るという。
この道72年。
しかし今も、
満足のいかなかった部分に、
最初に目が行く。
素人目には判別できないほど。
そこを改善して、
次にどう生かすか。
求道心に衰えはない。
良いものを作るために技術を磨く。
それは当然だが、
さらに大切なのは「人間性」を磨くことだという。
作品に“作り手自身”が映し出されるからだ。
西山氏は若かりしころ、
父親から「いい人間になりなよ」と言われた。
その真意を理解するのに十数年かかったそうだ。
学びの世界でも同じだ。
教科書の知識ばっかり覚えても
「人間」を磨かなければ大人になってから通用しなくなる。
学習を教える塾の世界だって知識だけの先生では通用しない。
羽子板作りでも学習でも
技術や知識だけでなく
それらを通して人間を磨くことが大切なのだ。
人間を磨くには、
人間の中に飛び込むしかない。
友と語り、
友の悩みに耳を傾け、
時には笑い、
時には励まし合い、
共に歩んでいく。
自分のためでなく
他者を本気で思うキモチが人間を高めていく。