細かく分けること、全体像を把握すること
17世紀の自然哲学者ルネ・デカルトは
いかに複雑な現象であれ
物事を分けて考えると
科学的な思考ができるといった
要素還元論的発想を示し
近代の扉を開いた。
しかし
このような要素還元論にも
限界があることは
我々の心の問題を考えると分かり易いだろう。
近年では
心の機能をつかさどるのは脳であると考え
高次脳機能の研究とあいまって
前頭葉、側頭葉、後頭葉、脳幹など
細かく研究が進んだ。
それでも
心の働きは見えてこなかった。
さらに脳神経、脳細胞を切り込んでいっても
まだ全体としての心は明確にはなっていない。
このように
細かく分けたからといって
かならずしも事態を解明できるとは限らない。
しかし、要素還元論が
一定の成功を収めてきたことは
軽視されてはならない。
学習においても
教科ごと
単元ごとなど
細かく分けて学習を進めていくことは
大事だ。
同時に
教科全体であったり
全教科を総合的に考えていくことも必要だ。
社会に出ても
それぞれ細分化された各分野の専門家として
まず自立するよう努力すると同時に
全体像を見失うことがないよう
常に心がける必要があるだろう。