登山
日本登山の歴史を開いた人物に、
ウォルター・ウェストンがいる。
今年、創立115周年を迎える日本山岳会の創設功労者で、
数々の名峰を制覇したことでも知られる。
「日本三大奇勝」の群馬・妙義山もその一つだ。
この登山に彼は、
地元案内人の根本清蔵と互いの体をザイル(綱)で結ぶ、
当時としては日本初の技法で挑もうとする。
しかし〝自分が落ちれば一緒に落ちてしまう〟
と清蔵は二の足を踏む。
その時、ウェストンは言った。
〝岩場で足を踏ん張っているから
清蔵を落とすことは絶対にない〟
2人は、互いを信じ、
未踏の道へ踏み出した。
後に、この登頂が日本近代登山の発祥といわれた。
登山はなぜ、人を引きつけるのか。
理由の一つは、そこに人生の縮図を見るからだろう。
義務ではなく自らの権利として、
あえて険難に挑む。
仲間を信じ、
自分も仲間の信頼に応えようと努力する。
そこには、
安逸の日々では得られない充実と成長の手応えがある。
入試への挑戦にも相通じるものがある。
自ら選び、
仲間たちと、それぞれの志望校という山を目指す挑戦だ。
そこには一人ひとりの成長のドラマがある。
そして、
今、まさにクライマックスを迎えようとしている。
ひたむきに
おおらかに
残された日々を過ごしていこう。
さて、話は変わって中学生の修学旅行の話。
コロナ禍の中、中止など苦渋の決断が目立つが、
日帰りの修学旅行だって。
良いアイデアだと思う。
困った時にこそ、アイデアが浮かんでくるっていうけれど、
まだ驚くようなアイデアが出てくるといいな。