潜水士のことば
〝世界のプラチナ潜水士〟と称される鉄芳松氏(80)。
潜水士という国家資格があることを初めて知った。
昔よりもずいぶん数が減って、現在は3300名ほどが働いているという。
氏のこれまでの潜水は2万回を超える。
港湾工事や漁場の調査など、
人目につかない海底で60年以上にわたり、
黙々と仕事に取り組んできた。
水の中での常に命がけの作業で、
氏が大切にするのは基本の徹底。
例えば作業終了後、
徐々に浮上しながら減圧症を防ぐ過程では、
水深21㍍で6分間停止など、
水深ごとの待機時間を設定。
水深90㍍からの浮上には、4時間以上をかけるという。
そのうえで氏は「どんな仕事も『やる』ことを前提とする」。
たとえ失敗しても、
その経験は必ず自身の糧となるからだ。
「できる可能性を考えて取り組むことを選べば、得るものがある」
「『やる』と決めたら知恵は出る」。
本年で80歳となったが、
日本潜水協会の会長として後進の育成にも力を注ぐ。
何事も〝できない〟と思えば、そこで可能性は閉ざされてしまう。
〝逆境だから無理〟ではなく、〝逆境だから成長できる〟
清新な心で、挑戦の一日を開始しよう。