本
活字は、かつて宝石のように大切に扱われていたのだろう。
イギリスでは
活字の大きさを小さい順に
ダイヤモンド、パール、ルビー、エメラルドと
宝石で表現していた。
一方
日本では標準文字の大きさを「5号」
その半分を「7号」と言った。
主に振り仮名に用いられた「7号」が
英国の「ルビー」とほぼ同じ大きさだったため
振り仮名を「ルビ」と呼ぶようになった。
明治の文明開化以来
新聞をはじめ多くの文書、書物でルビが活躍した。
中には別の文字を添えなければ分からないのは
“国語として不名誉”などと
ルビ廃止を唱える知識人もいたが
時代を経て
ルビは民衆の圧倒的支持を受け、今に至る。
ルビがあるから
習っていない漢字だって
読むことができるし
知らないうちに覚えているのだ。
かつて
小さい字ほど価値があると言われていたのは
字を小さくすればするほど
情報量が大きくなるからだろう。
挑戦の夏がやってくる。
うちの生徒たちにも
小さな字
ルビ付きだけど難しい漢字も使われている
そんな本に挑戦してもらいたい。