最後まで、最後こそ
「世界のクロサワ」と仰がれた黒澤明監督。
彼が映画作りの原点にしていた思い出があるという。
初めて監督を務めた映画「姿三四郎」の決闘シーンを撮影した時のことだ。
現場には猛烈な風が吹いていた。
過酷な状況ゆえに、
1時間が2時間にも3時間にも感じたという。
もう十分に撮影したと思い、切り上げたが、
それは錯覚だった。
いざ編集の時に見ると、
撮り足りないところが、たくさんあった。
以来、氏は、仕事に臨む姿勢を改めた。
「酷しい条件下では、もう充分だと思っても、
その後、それまでの三倍はねばる事にしている。
やっとそれで充分なのだ」
山登りは、頂に近づくほど、
強風、低温、低酸素と、条件は過酷さを増す。
同じように、小中学生の学習も人生における挑戦も、
到達点を目前にした時こそ、最大の勢いと細心の注意が求められる正念場だ。
最後まで、必死の気持ちを貫けるかどうか。
そこに事の成否がかかっていることを忘れまい。
来週は中間テストだ。