指南
武芸や技芸を教え示すことを「指南」するという。
「指南」は「歯車の仕掛けによって、
上に備えられた人形の指が南に向くように作られた指南車」
に由来している。
これが時代とともに改良されて羅針盤が生まれ、大航海時代が始まった。
さて、中国の史書には、皇帝が戦闘にあたって
「指南車」をつくらせたことが記されている。
リヤカーのような車の荷台に、柱を立て、
老人の像が取りつけられた。
車が向きを変えても、像の手は、
つねに同じ方角を指し示す仕組みになっている。
この指南車により、皇帝は霧の中でも迷うことなく、戦いに勝利した。
実際、白兵戦になれば、右に跳んだり、左に体をかわしたり。
だが、指南車の像が示す手の先へと進めば、全軍からはぐれず、目的地に達することができる。
三国志の時代にも使われたという。
人生にあっても同じであろう。受験にしても勝利のゴールへ進むには、何が必要か。
日々の日常はともすれば、ずっと続いていくものだと錯覚してしまいがちだ。
しかし、必ず終わりがやってくる。
終わりが近づいたことが分かった時に行動しても、時すでに遅しだ。
定期テストが終わった中学校がある。
完璧な成績だった人はいないだろう。
何かしら反省もあるだろう。
いま動かなければ機を逃してしまうことになるだろう。
楽な方に流されてしまうと、次のテストで痛い目を見るのは間違いない。
もちろん、私たちの歩みには、雨の日も風の日もある。
だが、人生の「羅針盤」を確認し、
賢明に進む限り、迷うことはない。
さあ、歩もう。