当事者意識
何事も当事者意識のちがいによって
成果は大きく異なる。
当事者意識を全く持っていない人と
当事者意識を強く持っている人では
真逆の結果になりうるということだ。
江戸時代中期、
信州松代藩の家老として活躍した恩田木工。
当時、藩は深刻な財政難に陥っていた。
その中で彼は、
抜本的な改革へ陣頭指揮を執り、
見事に藩をよみがえらせた。
まず彼が行ったのは、
厳しい財政状況を全ての藩士に包み隠さず伝え、
協力を求めることだった。
と同時に、
決してひとごととは考えないよう訴えた上、
改革に同意し、
藩のために行動するという誓書を、
藩士はもとより藩主や一族からも取りつけた。
何をするにせよ、
“ひとごと”と思えば力は湧かない。
“自分の問題”と捉えればこそ、
知恵や力が生まれ、
活路も開ける。
改革が成功した要因の一つは、
“傍観者から主体者へ”
という一人一人の意識の転換にあったともいえよう。
成績を上げたいと思う人がいるとしよう。
そのためには
毎日家庭学習が必要だからということで
することにした。
ある人は、親から言われて学習をやるようにした。
とりあえず机に向かう姿勢を見せなければ注意されてしまう。
だから、毎日机には向かっている。
机の上にはスマホが置いてあり
ときどきチェックしたりする。
時計が気になり
5分おきにちらちら見て
まだこれしか時間が経過していないのかとため息をつく。
でも、本当にやるべきことをやってはいない。
いってみればポーズだけ。
別のある人は、2学期の成績が振るわなかったため
一念発起した。
3学期に向けて日々の学習を開始した。
まず最初に始めたのは
弱点克服だ。
2学期の学習単元をもう一度解きなおし始めた。
分からないところは教科書を読み返したり
先生に質問したりする。
時にはノートまとめもする。
前日に学習した内容をしっかりと覚えているかどうか
翌朝用の簡単な確認テストを作ってみたりしている。
暗記できていない用語や漢字、英単語などは
紙にまとめて書いて
トイレの壁などに貼っている。
二人の行動は、日々学習しているという点では
同じ行動に見えても、
主体者か傍観者かという根底の一念の違いによって、
結果は大きく変わるだろう。
どうせやるなら、
主体者となり
当事者意識をもって
取り組んでみよう。