嫌いなものから
アメリカ人は昔から食事のときに子どもにこう注意するそうだ。
「嫌いなものから食べなさい」
なぜそんなことを言うのか、理由を聞いて納得できた。
これは栄養バランスが偏るのを防ぐ工夫なのだ。
嫌いなものだけ残して「もう、おなか一杯」と言わないように、
嫌いなおかずを食べ終えてから好物に手をつけさせる。
なかなかうまい作戦だ。
この教えは「おばあちゃんの知恵」と呼ばれ、
アメリカ人の間に古くから流布しているそうだ。
さらに、行動科学的に見ても理にかなっている。
人間には、嫌いなことや苦手なことをあと回しにする傾向がある。
この行動原理を「プレマックの原理」と言う。
心理学者デイビッド・プレマックが見出したこの行動原理を、
アメリカのおばあちゃんたちは経験的に知っていたのだろう。
嫌いなおかずを食べるのは苦痛だが、
好きなおかずが待っていると思えば我慢できる。
「嫌いなものから食べなさい」というしつけは、
プレマックの原理を乗り越える知恵だったのです。
学習にも応用できそうだ。
まず①「やるべきことをリストアップ」して、
次に②「やりたい順に並べる」、
そして、③「やりたい順の最下位から手をつける」。
やっているうちにできるようになってくる。
できると楽しくなるものだ。
そうなってきたら、
だんだんと後回しにすることも
少なくなってくるかもしれない。
ぜひお試しあれ、