夏の1シーン
夏期講習を実施中だ。
うちの塾では小学生は個別指導だ。
夏期講習のテキストは8つの講座に分かれているものが多く、
8回の授業回数にする人が多い。
その生徒も8回受講する予定だ。
1回目の授業の終わりで
宿題を指示したときのこと。
「(宿題以上に)もっとやってきてもいいですか?」
と質問された。
「いいよ。やれるだけやってきてごらん。」
と答えた。
「はい!」
と答えてその子は帰っていった。
2回目の授業がやってきた。
いつものように元気よく挨拶して入ってくる。
「宿題見てください」
テキストを出してくる。
「どれどれ・・・・・」
赤ペンを持ち、私は丸付けをしていく。
丁寧な字でしっかりと書いてあることをほめると
うれしそうににっこり笑う。
丸付けをしている間は時間がもったいないので
別の教科のテキストを開き問題を解いている。
異変に気付いたのはしばらくしてからだ。
丸付けが終わらない。
かなりがんばってくれたのだなと思う。
それにしても・・・・・・
とうとうテキストの最後のページを丸付けした。
なんと、講習1日目でテキストが終わってしまったのだ。
他の生徒で予定よりも早めに終わる人はたくさんいるけれど
これだけ早いのは初めてだ。
中学生ならば、「宿題」として
講習開始前に終わらせるように
事前に配布して、すべてやらせきって
講習では別メニューをやることもあるのだけれど、
今回の小学生は自主的にやってきた。
まだ中学年なのだ。
やらされている勉強の対極にいる。
今後が楽しみな生徒だ。
講習の内容は臨機応変に切り替えることもできる。
当初の予定を変更し、
もっとたくさん学習してもらうように切り替えよう。
これこそまさに成長の夏だと思う。
中3受験生にもこのことを教えてあげよう。
あの生徒がいい刺激を受けて反応してくれるだろうな。
そしたらあの生徒も・・・・・・
そんな妄想をしながら授業の準備をしている。