入試応援

「事件は会議室で起きてるんじゃない!

 

現場で起きてるんだ!」

 

そう叫んだテレビドラマの中の刑事がいたけれど

 

現場の空気ってとても大事だと思う。

 

塾にとって受験当日の空気は特に。

 

 

 

 

 

 

受検生がいつにない表情で歩いてくる。

 

こっちに気がつく。

 

そのとき見せるふっと緊張から解放された笑顔。

 

一言だけアドバイス。

 

「大丈夫

 

いつも通りに」

 

アドバイスはそれだけでいい。

 

高校受験は通過点とはいえ

 

初めてのことであり

 

緊張でガチガチになってる生徒もいるのだ。

 

これでみんな思い出すのだ。

 

必勝法は「いつも通り」だってことを。

 

 

 

 

 

 

しかし

 

朝の駅は人が多すぎる。

 

加えて女子がマスクをしたときには

 

顔の判別がつきにくい。

 

受検のときは

 

みんな同じような髪形をするし。

 

 

 

 

 

 

 

がんばれ元気というボクシングマンガがあった。

 

その中で

 

主人公が動体視力を鍛えるために

 

走っている電車の中の人を見るというトレーニングをしていた。

 

そこまでではないけれど

 

朝の駅で

 

うちの塾の生徒を見つけるということは

 

かなり大変なことなのだ。

 

スタッフで手分けしているけれど

 

目が回りそうになる。

 

ヴァニラ on X: "元気くん流動体視力トレーニング(電車の乗客の顔を全部見る) https://t.co/1lxjlXoSeT" / X

 

 

 

 

 

 

想定よりも早めに見送ったから

 

近場の高校に行ってみた。

 

現場の空気が吸いたかったから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

30分くらいだったけれど

 

受検の当日ならではのドキュメント30分の現場に立ち会うことができた。

 

スーツケースを転がしながらやってきた親子。

 

県外生かな。

 

校門のところで

 

お母さんが娘にいろいろと話している。

 

アドバイスかな。

 

お母さんは娘が建物の中に入ってもじっとその方向を見つめていた。

 

次は

 

お父さんと娘。

 

校門の反対車線側に停車した車からお父さんが慌てて降りてきた。

 

入室完了の1分前だ。

 

校門の前にいる私のところに近づいてきた。

 

私は職員の方の方を指し、そちらへ促した。

 

お父さんがまだ大丈夫かどうか確認している。

 

娘は・・・・・

 

少し離れたところにある横断歩道で信号が変わるのを待っている!

 

お父さんのようにまっすぐこなかったのは

 

受検当日だからだろうか。

 

まだ変わらない

 

・・・・・

 

 

・・・・・

 

 

変わった!

 

ダッシュでやってきた。

 

そのまま建物の中へ。

 

少し遅れただけで問題ない。

 

お父さんもホッとして帰っていった。

 

 

 

 

 

あの空気を吸わないで

 

昔の自分の経験談だけで受験を語るだけなら

 

受験経験者ならば誰にでもできる。

 

プロフェッショナルならば

 

あの冷たい空気と

 

あの張りつめた空気と

 

そこに垣間見える親子のドラマ

 

それらをみないでどうする

 

私はそんなキモチで見送っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

見送りが終わったあとは

 

少し離れているけれど

 

いつものあそこへ行くことに。

 

城北埼玉高校の向かいにある銭湯だ。

 

冷えた身体を温めよう。

 

フン・フン・フーン・フ・フ・フーン♪

 

鼻唄をうたいながら券売機のところへいくと

 

「本日風呂の日につき、回数券の特売日です」

 

との案内をされた。

 

しばし考えてみたが

 

私がここに来るのは

 

入試応援の後だけで

 

年に数回だけ。

 

回数券をなくすこともあるだろうし

 

結局買わなかった。

 

露天風呂につかりながら

 

今頃国語のテストを受けているなあと考えていた。

 

温まってきて

 

気持ちよくなって

 

ウトウト

 

入試の朝の日常。

 

至福のひと時。

 

だから塾講師はやめられない。

 

 

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