兆しに逃げるのか挑むのか
「悪条件にこそ突破口あり」
建築家・中村好文氏の信条である。
狭い土地、予算の制限、日当たりの悪さ。
それらを克服するために
工夫に工夫を重ねていった先に
よい家を造るアイデアが生まれることが多いという。
原点となった体験がある。
独立直後のこと
家が軒を並べる住宅街の中の一軒を建て替える仕事が来た。
現場を見て落胆した。
そんな氏を
依頼主が家へ食事に招いてくれた。
狭い部屋にいっぱいの家族が迎えてくれた。
「この人たちの家がつくれなければ
建築家でいる意味はない」
恵まれた条件なら力がなくてもできる。
限られた条件のもとで建ててこそ建築家冥利につきる、と。
立ちはだかる高い壁を前に
どうするか。
「兆し」に
「しんにょう」をつけて逃げるのか
「てへん」をつけて挑むのか。
心の持ちようで180度変わる。
思いもかけない試練
障害があるからこそ
人間は成長できる。
どんな困難も「よし来た」「チャンスだ!」と挑戦していきたい。