信念

今年のノーベル文学賞を受賞したグリュック氏は、

 

1943年にニューヨークで生まれ、

 

幼い頃からことばや物語に興味を持ち、

 

10代で雑誌に作品を投稿し始めたということだ。

 

コロンビア大学などで学んだあと1968年に初めての詩集を発表。

 

この中で、グリュック氏は怒りや疎外感を感じている人々の声を1人称で語り、

 

その独創性と実力が評価されてアメリカの詩人協会の賞を受賞した。

 

創作活動のかたわら、

 

1983年からは東部マサチューセッツ州の大学で

 

20年間にわたって教べんをとった。

 

1990年代はグリュック氏にとって最も評価され意欲的に活動した時期と言われ、

 

1992年には愛読される詩集のひとつ、「ワイルド・アイリス」を発表した。

 

この詩集に収められている54の詩は、

 

わずか10週間で書きあげたと言われていて、

 

1993年にピュリツァー賞などを受賞した。

 

その後、50年間にわたる創作活動の集大成としての詩集も出し、

 

現在は、イェール大学で文章表現を教えている。

 

 

 

ノーベル賞受賞者に共通するのは、

 

研究成果の発表から受賞までに長期の時間を要した点だ。

 

先見性に現実が追いつくまでのタイムラグといえよう。

 

2008年ノーベル化学賞の下村脩氏は、

 

緑色蛍光たんぱく質の解明のために、

 

オワンクラゲを85万匹も採取したという。

 

海に漂うクラゲを手作業で捕まえ、物質を精製する。

 

気の遠くなるような地道な作業が、

 

生命科学の研究に飛躍をもたらす大発見へとつながった。

 

時代を変える偉業は、多くが地味なものだ。

 

正当な評価を受けるのに数十年かかる場合もある。

 

反対に安易に成し遂げられ、もてはやされた業績は、

 

歴史の試練に耐えられず消え去ってしまうだろう。

 

 

ノーベル賞のような偉業に限らず、

 

どんなことでも

 

あきらめない信念を持つことが大切だと思う。

コメントを残す

雑感

前の記事

音楽
雑感

次の記事

実力不足