りんご
街中の果物屋に飾られた1このりんご。
通る人々が、それを見てつぶやいていく。
「ビタミンがいっぱいありそう:
「1こ30円のりんごを3こ買うと……」
「店の入口をちょっと直せば、もっと客が来るのに」
これは『1こでも100このりんご』という絵本のストーリーだ。
りんごは
聞こえてきたつぶやきから
声の主がどんな人かと考えを巡らす。
お医者さん、算数の先生、腕のいい大工さん等々。
物語を締めくくるりんごのつぶやきが
なんとも哲学的だ。
「見る人が100人いれば、
私は100通りのりんごになるんだわ」
りんごだけじゃない。
『あの高校はどんな高校?』と聞いても
みんな答えは違うはずだ。
「不便な場所にある」
「バスケ部が強くない」
「進学実績がいま一つ・・・」
「制服がかわいくない」
ネガティヴな点は今の自分が高校に求めているものだ。
だから見つけやすい。
でも、もっと大事なのは
いいところを見つけてあげること。
相手がどう見えるかではなく、どう見るか
――成長していくポイントでもあろう。
“素晴らしいものを持っているはず”
そう信じて関わることが、自他共の成長につながる。