ときにはゆっくりと

スロー・リーディングという言葉をご存じだろうか。

 

本をゆっくり読むことを指す。

 

速読術のノウハウが語られる風潮の中で

 

もう一度

 

読書の原点に立ち返ろうとする試みとも言えようか。

 

 

 

 

 

読む速度によって本の印象は大きく変わる。

 

仕事や研究で、多読・速読を余儀なくされることもある。

 

1年でこれぐらい本を読んだという人の話を聞くと

 

感心すると同時に

 

自分も多くの本を読もうと思ったりするのが人情だろう。

 

しかし、ゆっくりページを繰ってこそ

 

気がつく珠玉の言葉もある。

 

その人ごとに

 

その時ごとに

 

その本ごとに

 

多様な読み方があっていい。

 

まことに至福の読書とは

 

読むリズムと理解の速度が呼吸・心拍とも連動した

 

「本と心身とのアンサンブル」に違いない。

 

 

 

 

これは読書だけでなく

 

学習でも同じことが言える。

 

1時間で多くの問題を解くことができれば

 

学習効率はよいと言える。

 

しかし、じっくりと考え

 

じっくりと調べ

 

じっくりと問題と向かい合う。

 

そんなときもあっていいだろう。

 

そうすることで

 

考える力がつくこともあるだろう。

 

一日何時間勉強するというのも一つの目安である。

 

一日何ページやるというのも一つの目安である。

 

学習効率は高ければ高いほどいい。

 

しかし、矛盾するようだけど

 

時にはじっくりと

 

ゆっくりと

 

目の前の問題に向かい合うことだって大切だ。

 

 

 

 

さて、話を戻そう。

 

読書の秋。

 

良書をじっくり味わって

 

人生の糧としたい。

 

本をめぐって語り合えば

 

人間の輪も大きく広がる。

 

読書とは

 

孤独な時間ではない。

 

人間世界の最高に尊い営みの一つである。

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