食べ物と本

Dis-moi ce que tu manges, je te dirai ce que tu es.

 

「あなたが食べているものを言ってごらん、

 

あなたがどんな人物か当ててあげよう」

 

 

これは、ジャン・アンテルム・ブリヤ=サヴァラン、

 

美食家として知られ、

 

学問としての美食について書かれた

 

「美味礼讃」の著者として有名な

 

18-19世紀のフランスの法律家のことばです。

 

 

口にしているもので人のからだがつくられているので、

 

確かに、何を食べているのかということは重要です。

 

 

最近では

 

新聞広告が栄養食品だらけだといっても

 

過言でないくらい

 

栄養食品やサプリメントなどの

 

体の健康に関するものが多いですね。

 

それだけ

 

自分の健康に気をつけて

 

良いものを口にしようとする人が

 

増えているのですね。

 

悪いことではないし、

 

あらゆる活動は

 

健康あってのものです。

 

 

 

一方、体ではなく頭の健康はどうでしょうか。

 

頭に何を取り入れているか、

 

つまり、どんな本を読んでいるのかとか、

 

どんな学問を学んでいるのかによって、

 

どんな価値観をもっているのか、

 

またはどんな性格であるのかなどに

 

影響があるのではないでしょうか。

 

 

 

私は

 

多感な少年少女期には

 

良書を読み漁るべきだと考えています。

 

さまざまなジャンルのものがいいですね。

 

栄養バランスを考えて

 

様々な食材を食べるのと同じです。

 

サヴァランの言葉を借りるのならば、

 

「あなたが読んでいるものを言ってごらん、

 

あなたがどんな人物か当ててあげよう」

 

と言えるでしょう。

 

 

 

 

 

最近読んだ本です。

 

樺太(サハリン)が舞台です。

 

そこで生まれたアイヌのヤヨマネクフが一人目の主人公。

 

彼は樺太がロシア領となったため、

 

仲間と共に北海道に移住させられます。

 

和人(日本人)たちに差別を受け、

 

「日本人であること」を押しつけられながら成長した彼は、

 

アイヌ一の美人のキサラスイと結婚し、息子も誕生。

 

しかし幸せは長く続かず、

 

妻のキサラスイを天然痘で亡くします。

 

アイヌの村はこの天然痘の流行で壊滅状態に。

 

「故郷に帰りたい」と言い残して死んだキサラスイのためにも、

 

彼は樺太に帰ることを決意します。

 

 

もう一人の主人公が、

 

ポーランド人のブロニスワフ・ピウスツキ。

 

彼の母国ポーランドは、

 

ロシアによって消滅させられます。

 

ポーランド人は「ロシア人になること」

 

を押しつけられ、

 

ポーランド語を話すことも禁じられてしまいます。

 

反ロシアのデモ活動に参加していたピウスツキは、

 

皇帝の暗殺計画に巻き込まれ、

 

無実の罪で樺太に送られることに。

 

そこで待っていたのは過酷な強制労働。

 

やがてピウスツキは樺太に住むアイヌとも接触を持ちます。

 

 

 

「文明」を押し付けられ、

 

民族としてのアイデンティティを奪われた、

 

という共通点を持つ二人が樺太で出会い、

 

生きるための「熱」を求めていきます。

 

 

本の帯には「滅びていい民族などない」

 

と書いてありましたが、

 

「共生」について、考えるきっかけを与えてくれます。

 

同時に、「生きる」ということについても。

 

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