本を読む
江戸時代後期
大分県日田市に開かれた私塾「咸宜園」
蘭学者の高野長英や
兵学者の大村益次郎など
多彩な人材を輩出した名門校である。
その教育法には
独特なものがあった。
1本の線香が燃え尽きる間に読書し
2本目をたく間に
その感想を漢文で書く。
さらに
3本目では詩文を作る
書を読んで考え
即座に表現する力を養ったのだという。
時間があれば読書ができるというわけでない。
多忙な中でも
時間を見つけ
学んでこそ
かえって
自らの血となり
肉となる。
苦闘の中で
本を読み
思索を深める。
深化された思想を
闘争のエネルギーに変えて進む。
そしてまた
前進する中で読書し
思念する
この繰り返しの中にこそ
本物の人格の陶冶がある。