強い信念と粘り強さと希望と
時は1986年10月。
東西冷戦の真っただ中
歴史的な米ソ首脳(レーガン・ゴルバチョフ)会談が開かれた。
軍縮をテーマにした会談は
今後の冷戦構造を左右する焦点とされた。
が、結果は物別れに。
しかしゴルバチョフは
終了後の記者会見で言った。
「会談は決裂ではなく
将来へ向けての突破口だ」
誰がどう見ても「決裂」だった。
だが
あまりに確信ある言葉に
決裂と発表していたアメリカも
〝会談は次の話し合いにつながるもの″
という認識に軌道修正していった。
対話しても
理解しあえないことがある。
裏切られることもある。
〝相手のせいで″
と思いたくなるときもある。
しかし
だからといって
対話をやめてしまえば
理解しあうことはできない。
「それでもなお、対話を続ける!」
この信念
希望
粘り強さ
そして相手への信頼があればこそ
はじめて人の心を動かし
心の壁を乗り越えることができるのだ。
のちに
「冷戦の終わりの始まり」
とも呼ばれることになったこの会談の3年後
1989年、アメリカのブッシュ大統領と旧ソ連のゴルバチョフ大統領が
地中海のマルタ島で会談
40年間続いた冷戦の終結を宣言した。
人間は感情で動く。
強い信念
粘り強さ
そして希望
これらがあれば困難も乗り越えられる。
戦争の終結だけでない
受検だって。
さて、話題は変わって最近読んだ本の紹介。
氷点を読んだ後
この方の作品をもっと読みたくなって読み始めた。
いまから99年前
1926年5月24日の十勝岳噴火と
それに伴う火山泥流にまつわる物語を描いているが
それは終盤に描かれており
多くは
主人公をはじめ
主人公の兄
幼馴染など
貧しいけれど正しく生きている人々の人間模様だ。
読み終わってすぐに
続・泥流地帯を読み始めたくらい
おススメできる本。