大人の影響力

アメリカの電気自動車メーカーが、大容量かつ長寿命のバッテリーを開発しているそうだ。

https://jp.reuters.com/article/tesla-batteries-idJPKBN25L0YW

 

ただし、リチウム資源は限度があり、

 

世界13億台といわれるクルマすべてをEV化するだけの量はないとされている。

 

一方、鉛のバッテリーの歴史はおよそ100年だ。

 

鉛も、金属資源として限度はあるが、

 

リサイクルによる再資源化の取り組みが確立しているため、

 

エンジン車のバッテリーとして現在も使用されている。

 

リチウムバッテリーの歴史は浅い。

 

1991年にソニーが商品化してからまだ30年ほどだ。

 

リチウムバッテリーはまだまだ可能性を秘めているのだ。

 

 

前置きはさておき、リチウムバッテリーの父と呼ばれ、

 

昨年ノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏の話をしよう。

 

担任教師の影響で小学校三・四年生頃に化学に関心を持ったという

 

先生のすすめた、英国の科学者ファラデーの著書『ロウソクの科学』が、

 

科学への興味を持ったきっかけという。

 

 

 

1825年、王立研究所の研究所長に就任したファラデーは、

 

研究所を社会に開かれたものにしようと、いくつかの企画を推進した。

 

その一つが「少年少女の聴衆のためのクリスマス講演」。

 

『ロウソクの科学』は、彼が69歳の時に行った

 

この講演をまとめたものだ。

 

子どもたちのための講演が、世紀を超え、

 

一人の日本人を魅了し、ノーベル賞受賞へと導いたのだ。

 

 

 

 

電気分解の法則の発見など、ファラデーは数々の業績を残した。

 

だが、講演などを通して、青少年の心に科学への興味の灯をともしたことも、

 

大きな業績の一つであろう。

 

 

 

 

『ロウソクの科学』は、こう締めくくられる。

 

「すべての行動において、

 

人類に対する皆さんの義務の遂行において、

 

皆さんの行動を正しく、有益なものにすることによって、

 

ロウソクのように、世界を照らしてください」

 

 

社会に貢献しようという志が、自分の人生を大きく開いていく。

 

そして、周囲の大人による小さな言動が、

 

大人たちにとっては何気ないことかもしれないが、

 

それこそが子どもたちの志や夢をもつきっかけとなりうるのだ。

 

吉野彰氏にファラデーの本を紹介し、科学の世界に誘った小学校の担任の先生のように。

 

 

 

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