壁
パリ五輪がたけなわ。
4年に一度の祭典。
選手たちの活躍や世界記録の誕生に期待がふくらむ。
かつて、陸上の男子100メートルには
“10秒の壁”があった。
1960年に10秒0が記録されて以来
8年間で8人が10秒0。
9秒台で走る選手は現れなかった。
壁が破れたのは
68年6月20日。
アメリカのジム・ハインズが9秒9の新記録をマークした。
実は、このレースの2着も9秒9。
さらに直後のレースでも
1着の選手は9秒9だった。
誰もが不可能と思える記録も
最初の“一人”が突き破れば
壁は壁でなくなる。
先駆者が未踏の道を切り開くからこそ、
後に続くことができるのだ。
誰もが“無理だ”“できない”とあきらめる“不可能の壁”。
目の前にその壁が現れたとき
自ら勇んで挑戦し
道を切り開く「先駆の人生」を歩みたい。