動機付け

「さあ、いいかね、これから思いきったところをズバズバ言うよ、

 

腹あ立っちゃいけねえよ、良薬は口に苦しといってね、

 

いい医者ほど苦い薬を飲ませるんだぜ。

 

これから、遠慮なく、思ったところをズバズバ言うからね、

 

苦いと思ったら、道庵は、さすがに医者だと思ってくんな――」

 

中里介山氏の大菩薩峠の一節だ。

 

文中に出てくる「良薬は口に苦し」とは、

 

他人からの忠告やいさめは聞くのがつらいけれど、

 

それは自分のためになるという意味だ。

 

そもそもの出典は古い中国の書物に由来する。

 

孔子と門人との問答に、

 

「良薬苦於口、而利於病、忠言逆於耳、而利於行」という記載がある。

 

「よく効く薬は苦いが、よく病気を治す。

 

真心から諌めた言葉は、快く聞き入れ難いものだが、有益である。」という意味だ。

 

心から相手のことを思って注意をしたり、

 

あるいは自らが受けた注意を素直に正したり、

 

といったことはなかなかできることではないのだが、

 

人間関係が希薄な今の時代こそ

 

『良薬は口に苦し』を心で念じながら

 

誰かを思いやったり、謙虚な姿勢で生きていきたいものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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昔の熱血ドラマの中で、

 

熱血先生が生徒の胸ぐらをつかみ、

 

「バカ野郎、ふざけんな!」と叫びながら、

 

こぶしを握り締めているシーン。

 

ことばは汚いが

 

そこには、生徒を想う「本気」の愛情があることが

 

よくわかるからこそ、このシーンは感動を呼んだと思う。

 

ただし、放送当時でも、

 

これは「女の子タイプ」には通用しないやり方だったはずだ。

 

胸ぐらをつかんだり、きれいでないことばを言ったら、

 

その時点ですべてが遮断されてしまうからだ。

 

伝えたいメッセージがあっても、

 

そうなってしまっては届かない。

 

 

 

 

 

今の時代、このドラマを小中学生がみたら

 

どう感じるのだろうか。

 

男子たちでも

 

この先生の熱いメッセージを

 

「良薬は口に苦し」との気持ちで

 

しっかりと受け止められるのだろうか。

 

中には、できる生徒もいるだろうけれども、

 

昔ほど多くはないはずだ。

 

時代が変わってきているのだから。

 

 

 

 

 

私たちの仕事は、

 

「子どもたちの本気で学ぶキモチを引き出すこと」だと考えている。

 

カリスマ先生と呼ばれる人たちは、

 

例外なく皆が動機づけの達人だ。

 

動機づけが上手だから

 

生徒たちの授業の吸収がいい、

 

学習習慣も作らせることができる、

 

結果、成績があがる。

 

私もそんな風になりたいと切に願っている。

 

時代に合わせて、一人ひとりにあわせて

 

動機づけの方法もアップデートしてきているつもりだけど、

 

うまく伝わらないこともある。

 

最近だってそんなことがあった。

 

うーん、まだまだ修行が足りない。

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