トルストイも湯川秀樹も

夏期講習全日程の3分の1が終わった。

 

本当に早いものだ。

 

今日は受験生たちに問いかけた。

 

夏休みに向上させたい学力の3分の1は身についたかな?」と。

 

受験生の多くは首を横に振った。

 

夏の終わりに、自動的に学力が向上しているわけではない。

 

時間が解決してくれないのだ。

 

これは人生も同じ。

 

時間は巻き戻らない。

 

頭ではわかっているけれども・・・・・・

 

そんな人はこの話を読んでみてほしい。

 

 

 

昔々の話。

 

納屋が壊れ、途方に暮れた貧しい婦人を、

 

文豪トルストイは、放っておけなかった。

 

壁を作り、残るは屋根葺き。

 

下を見てしまい、目がくらむ。

 

農夫が助言した。

 

“やっている仕事だけを見るんですよ。

 

他へ目をやらなければ、

 

何でもありませんよ”。

 

文豪は、人生の「極意が分かった」と喜んだ。

 

恐れを克服するには、

 

降りかかる迫害や敵意に気を取られず、

 

目の前の現実に集中することだ、と。

 

 

 

この話に鼓舞された青年がいた。

 

日本人初のノーベル賞受賞者、湯川秀樹である。

 

26歳の年の正月、彼は日記に綴った。

 

“あることに専心できれば、人は自然に伸び伸び成長を続けられる。

 

一つのまとまった仕事を成就できるだろう”。

 

中間子論を着想したのは、この年の秋のことだった。

 

 

受験生諸君、これが必勝法だ。

 

勉強以外のあらゆることを別の場所に置いていく、

 

そして目の前の一問に集中すること。

 

一問入魂の精神で。

 

結果は後からついてくるものだ。

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