みずから考える

私が中学生だったころ、国語の先生が話してくれたことを思い出した。

 

青森出身のバスケ部顧問。授業が面白いイケメン先生だった。

 

「ぼくの通っていた田舎の中学校では、各学年1クラスしかなかった。

 

そのため男子が入れる運動部は2つしかなかった。

 

ひとつは野球部、もうひとつが相撲部。

 

ぼくは坊主頭がイヤだったから相撲部に入った。」

 

クラスが1クラスしかないことや、運動部が2つだけとか

 

当時は別世界の話のように聞いた記憶がある。

 

 

 

 

ここからは2021年、つまり今年の話だ。

 

全校の男子生徒の総員が104名。女子は106名。

 

とても小人数だが、私の中学時代の国語の先生のように田舎の学校ではない。

 

大阪都市圏の中心部にある学校、大阪朝鮮高級学校。

 

その学校のラグビー部が花園の全国大会で10大会ぶりに4強入りを果たした。

 

準決勝で優勝校の桐蔭学園に12-40で敗れた。

 

桐蔭学園は超マンモス校。全校の男子生徒は1977名、女子が1423名!

 

ラグビー部の部員数が102名。

 

大阪朝鮮高級学校の男子の総生徒数とほぼ同数だ。

 

さらに大阪朝鮮高級学校ラグビー部員数は39名のみ。

 

ラグビー部率は非常に高いともいえる。

 

ラグビーは15名の選手の他、高校生は10人がベンチ入りし、25人が登録プレーヤーとなる。

 

ここまで小人数では個々のポテンシャルに頼ることはできない。

 

チームがしっかりと成長しなければ勝ち進むことは不可能なのだ。

 

 

 

大会後に行われた、このチームのコーチのインタビューは、

 

ラグビーはもちろんだが、

 

学習においても、特に直前期の受験生にとって

 

役立つ成長のヒントを与えてくれるものだと思ったので

 

紹介したい。

 

 

 

大阪朝鮮高は生徒数の限られた学校にもかかわらず4強まで勝ち上がれたのはどうしてですか?

 

コーチが即答する「選手がみずから考えるから

 

全国大会は試合間隔が短いので

 

次へ、次へと意識が向いてしまう

 

しかし、あえて終えたゲームを振り返り、

 

具体的な改善や進歩につなげる

 

彼らはその流れをつかまえた。

 

花園に入ってからも選手たちで練習メニューを組み立てたりします

 

全国大会が始まってからでも彼らはグングンと成長していたのだ。

 

(戦術を)教えたら、さっそく使った。いっぽうで合わないと考えたら彼らは採用しない

 

大切なのは自分の頭で考えること。

 

いろいろと試してみて、自分たちが成長できるものを選りすぐるのだ。

 

短い時間で成長するにはそれが何よりも大事なのだ。

 

この大会は成長し続けたチームが優勝する。そのためには予習より復習

 

イメージと実際は全く異なるものだ。

 

だから、実戦の中に学ぶべき材料や克服すべき課題を見つけるのだ。

 

 

 

 

このインタビューを学習に応用するならば以下のようになるだろう。

 

合格をつかみ取るには、最後は受験生自らが考えなければいけない。

 

入試が迫ってくると、気ばかりが急いてしまうけれども

 

あえて、解いた過去問や模擬試験(北辰テストなど)を振り返り

 

具体的な改善や進歩につなげよう。

 

私立入試が始まってからが本当の勝負だ。

 

自分のアタマでメニューを組み立てるのだ。

 

入試が始まってから成長し続けた受験生が合格する。

 

そのためには過去問や予想問題を解いて

 

それを徹底的に復習し、本番に活かすことが大切なのだ。

 

 

 

昨日の日曜日は私立入試前最後の日曜日だった。

 

質問でもいい、苦手単元の補習でもいい、

 

うまく利用してくれとだけ言っておいた。

 

集まった受験生は全員時間を計って過去問を解いていた。

 

通しで50分の時間を計って解いている受験生、

 

大問ごとに時間を決めて解いている受験生、

 

過去に間違えた問題だけを選りすぐって解いている受験生など様々だった。

 

機会があれば上記のラグビーの話をしてみようと思っていたのだが、

 

しないことに決めた。

 

うちの受験生たちにこの話はしなくてもよいと気づいたのだ。

 

もうすでに自分のアタマで考えていることが分かったからだ。

 

彼ら彼女らが少しだけ大きくなって見える。

 

受験開始まであと4日。

 

大きな山の向こうに朝日の気配を感じたような気がした。

 

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