みえない細部
AIでリアルな映像がを作り出せる世の中になったけれど
映画史に大きな影響を与えた日本の「特撮」
ゴジラ、モスラなど、その人気は半世紀を超えた今も健在だ。
映画関係者をうならせたシーンが映画「モスラ」(1961年)にある。
モスラが渋谷付近に出現し、建物を壊す。
リアルな表現に世界中がびっくりした。
現在のようにコンピューター・グラフィックスはない。
手作業で街の模型をこしらえた。
本物らしさを出すため
製作チームが特にこだわったことは何か。
目に見えないビル内部の家具や内装を徹底的に作り込んだ。
外からは見えない。
しかし、壊れた時に外に露出するかもしれない。
また、内部の構造が
外部の強度にも影響するだろう。
「目に見えない部分」に徹底的にこだわる
その執念が迫真のシーンにつながった。
本当に大事なものは表面的には見えないし
その存在に、誰も気づかないことも多い。
目立たない細部。
そこにこそ全体の本質は映る。