ことばのチカラ
牛に優しく接すれば、乳量は増える。
そんな研究結果が過去に学会で発表されている。
牛を待機場から搾乳場に移す際、
「ほら」「おい」などと命令口調でせかすか、
逆に、なでたり優しく声を掛けるか。
2通りの態度で、
1カ月間、約70頭に接し続けた。
後者の態度を受けた牛は、
乳量が増える傾向に。
特に、若い牛への影響が大きく、
後者の態度で1回接するたびに
平均乳量が約600ミリリットル増え、
前者では1回ごとに約400ミリリットル減ったという。
命あるもの、
気持ちは確かに通じていくという一例だろう。
このことは子どもの学習に応用できると思う。
「宿題しなさい」などという“
上から目線”の命令は逆効果。
そうでなく
「宿題をしてくれると、お母さんはうれしいよ」などと、
同じ目線に立って「私」の思いを伝える。
それだけで、
子どもの受け止め方は大きく変わる。
何より、
子どもと向き合う大人の側の心が変わっていく。
策や方法の話ではないだろう。
心は言葉に表れる。
だからこそ言葉には、
人を立ち上がらせる力があるのだ。
その言葉、
発する前に一呼吸、
本当にこれでいいのか
考えてみてほしい。