キオクの品
建物の破片に思いを馳せる人がいる。
展示会も行われている。
手塚治虫が住んだアパートの外壁
美空ひばり邸の鉄扉の飾り
巣鴨プリズンのれんが等々
年代も場所も様々だ。
カケラを集めた方は
「小さな破片となっても
建物の想いを伝え
過ぎ去った時間を教えてくれる」と。
私たちの日常においても
ちょっとした断片から
過去を思い起こすことがある。
ランドセルを別のものにつくりかえる人もいる。
受験勉強の使用済みボールペンを
集めている人もいる。
遊びに来たうちの塾の卒塾生が言っていた。
「受験の日、駅でもらったカイロはまだもっています」
そんなたいしたものではないけれど
あのときの
あのキモチを
思い出させてくれる
だいじなものなのだろう。
今日を大事に、今この時を大事にしていきたい。
一期一会の思いで臨みたい。
そうすれば
必ずや心に何かを残すことだろう。
そして
そのとき
近くにある何かが
いつの日にか
そのキモチを
よみがえらせてくれる。