予行演習
一つの道を究めている
プロの言葉には味わいがある。
その過程で
幾度も困難な局面を
乗り越えてきたからこそだろう。
レストランのシェフの言葉。
「漫然と何回も
味見をしていてもわからない。
一発勝負。
毎日がその繰り返し」
厨房では
いつも神経を研ぎ澄ませていたという。
こちらは時計修理人。
基本的な時計の知識を身に付けた上で
「それからは理屈はいらない。
体で覚えていくことが大事」
自分で苦労したことしか
身に付かない。
宝石デザイナーの言葉。
「反復作業を集中してやれば
多くの物が身につきます」
一見
平凡な作業の繰り返しかもしれない。
しかし
この地道な作業を通してこそ
確かな技術が身に付いてくる。
一つの道を究める人に必要なのは
決して天分だけではない。
何よりも必要なのは
根気と粘り強い努力である。
それは自分の中にある弱さとの闘争だ。
できない言い訳をするより
一歩でも前に進む努力を重ねたい。
子どもたちには
学習を通して
そのようなことを
予行演習してもらいたいと思う。