志が人をつくる
卒塾生が通知表をもって報告に来てくれる。
中学時代に取ったことのないような成績を見せてくれる生徒たち。
5段階評定で4.7という数字をとった生徒がいる。
高校入学後、何度か顔を出してくれているのだが、
高校の授業は大変だと言いながら
がんばって結果を出している。
いっしょに来た生徒も
5段階評定でほぼオール4。
中学時代よりも確実に上がっている。
部活動もがんばっているそうだ。
彼らは2人ともうちの塾のすぐ近所に住んでいる。
しっかりと褒めておいた。
そして、これからも報告に来てほしいと頼んでおいた。
幕末期、明治維新の原動力となった人材を多く輩出した松下村塾(山口県・萩市)。
特徴的なのは塾生の大半が「近所に住む、ごく普通の少年」だったことだという。
高杉晋作、久坂玄瑞、木戸孝允、山県有朋も萩生まれの萩育ち。
松下村塾から半径約2キロの範囲内に住んでいた。
伊藤博文は、わずか数百メートルの近所だった。
決して長州藩の各地から
精鋭を募って創設されたわけではなかったのだ。
多くの青年を一騎当千の逸材に育てた吉田松陰。
「志を立ててもって万事の源となす」との信念で若者を啓発した。
「時代を動かす」との大きな志を持たせることを重視したのだった
『志』が『人』をつくる。大きな志は大きな人生をつくる。
松下村塾を引き合いに出すのは烏滸がましいと分かっているけれど、
少なくとも、受験で燃え尽きてしまうようなことはないように
これからも指導していきたい。