ある吹奏楽部の強さのヒミツ
ある田舎の町にある唯一の中学校の吹奏楽部。
部員も初心者が多い中、
新たな顧問になって数年のうちに
なんと、コンクールで日本一に上り詰めた。
さぞかし特別な指導法があるのだろうと思われるだろうが、
そうではなかったと見学者は語った。
見た目の練習は、多少でも吹奏楽をかじった人にとっては
当たり前の内容ばかり。
「秘術なんてないですよ」と笑う顧問の言葉が信じられず、
部員たちに話を聞いて回り、ようやく答えが分かったと語る。
一つは「○時から全体練習」と板書された「○時」の意味。
それは”集合時間”ではなく、
皆が個人練習を終えて、
最高の状態で全体練習に臨む”開始時間”を指していた。
各人が”自分をピークに導く練習法”をあみ出しているという。
もう一つは「何のため」を自分でとことん考えること。
“この練習は何のため”から、
“何のために私は部活動を頑張るのか”などにも及ぶ。
「広く、深い目的観を持つ自分づくりのためです」と顧問は教えてくれた。
学習でも同じではないだろうかと思う。
学習時間の前のスキマ時間で、何かできることはないだろうか。
学習時間は頭のウォーミングアップが終わった最高の状態で始められているだろうか。
同じ1時間でも、それができているのとそうでないのとでは
中身の濃さが大きく異なってくる。
さらに、「何のために学習するのか」に対する答えを考え抜くこと。
今日は何のために学習するのか、
今学期は何のために学習するのか、
今年は念のたに学習するのか、
中学生は何のために学習するのか、
何のために私は学習を頑張るのか、
いやいややらされている学習ではなく、
広く、深い目的観を持って学習による自分づくりをしたい。
新年度の新鮮さもだんだんと薄れてくる今日この頃。
毎日が同じことの繰り返しに思えてくるかもしれない。
だが、一日一日に「一期一会」の思いで、真剣に挑み続けた人は
確実に成長の道を歩んでいくことができる。
この吹奏楽部の練習のような学習を積み重ねていく決意をしよう。
意識は一瞬で変えられえるもの。
さあ、今から始めよう。