油断
比叡山には最澄が延暦寺を開いた1200年以上も前から大切に守られている宝があります。
↓比叡山
↓延暦寺
↓最澄
それは最澄が修行で使っていた炎の灯火です。
↓コレです。
1200年間現在まで消されずに守り通しているのです!
何度も災害に遭いました。
その中には織田信長の延暦寺焼き討ちもありました。
それら苦難の中でも守り等されたその灯火が延暦寺根本中堂にあるのです。
灯火を守るため、菜種油が切れないように注ぎ、
炎の芯が燃え尽きそうだと新しい芯に変える、
そういった営みを永々続けてきているのです。
こんなに長い間守り続けられた灯火が
世界中のどこにあるでしょうか。
まさに日本の宝だと思います。
「灯火はなぜ守り続けられたのですか。
灯火の係とか、組織の中で役割がしっかりされているのですか。」
との問いに高僧がこう答えました。
「係や役割を決めたら何年かはうまくできるかもしれません。
しかし役割を決めた瞬間に、
『誰かの仕事』というように
甘えの心が出て、他人ごとになってしまうのです。
そこに失敗の原因が隠されているのです。
比叡山では誰も役割は持っていません。
気づいた人が油を足す、気づいた人が神を変える。
我々が命に代えて守らなければならないものです。
役割や係分担で行うものではないのです。
油が切れたら灯火は消えます。
心に迷いや怠慢が日当たり前のことができないことを指します。
このことを『油断』と言うのです。
この言葉は比叡山の灯火を守ることから生まれた言葉なのです」
その言葉に私はハッとしました。
油断とはこういう意味だったのですね。
当たり前のことを行い続ける大切さと難しさを知りました。
それとともに心を鍛えることの意義を学ばせて頂きました。
来週から新学期を迎えるにあたり、
決して油断なきを前に向かって進み続けましょう!