新しい世界へ
脊椎動物が陸上に進出したのは約4億年前。
その理由は今日も研究の途上だが、
呼吸で酸素を得るには、
水中よりも大気中が、
はるかに有利なことは確かだ。
水が含む酸素の最大量は、
同じ体積の空気に比べて約30分の1しかない。
しかも水は大気に比べて重く、
魚がえらに新鮮な水を送り込むには、
大変な労力を要する。
だが半面、
魚のえらは限られた酸素を
最大限に取り込む機能を発達させた。
その能力は陸上動物の肺を上回るという。
一方、陸に上がった脊椎動物は、
乾燥や重力という新たな「難敵」と戦うことで、
進化していった。
サクラマスについて興味深い話がある。
生まれ故郷の川に残留したマスは小型のままだが、
川を出て海に入り、
回遊したマスは、
はるかに大きな個体になるという。
同じ場所に安住するより、
厳しい環境に立ち向かったものが強くなる。
人間も同じだろう。
困難を、絶望の壁と見るか、
成長への糧と見るか。
一念の変革で、未来は大きく変わる。