為せば成る!
「なせば成る なさねば成らぬ 何事も 成らぬは人の なさぬなりけり」
米沢藩を立て直したことで知られる名将・上杉鷹山が残した言葉だ。
鷹山が17歳で藩主となった江戸時代の中期、
藩は破綻寸前の絶望的な状況。
誰もが希望を失っていた。
鷹山は自ら大幅な倹約を実行し、率先して鋤をふるう。
武士だけでなく、農民や町人からも広く意見を求めた。
私財を費やし桑の苗木を配布。
養蚕の技術指導も行った。
72歳で亡くなる頃、藩の財政は黒字に転換。
無理解からの挫折の後、
再び改革に着手してから、実に三十数年。信念の勝利だった。
鷹山が行った改革とは何だったのか。
それは「心の改革」だった。
絶望の淵に沈む人々に同苦し、
手を差し伸べ、
希望をもたせることで「なせば成る」を身をもって教えた。
そして自分と「同じ心で行動する人」を、
一人また一人と増やしたのである。
企業経営者を対象にしたアンケートでは、
この言葉を座右の銘にしている人が圧倒的に多かった。
(ちなみに2位は「継続は力なり」)
「絶対に成し遂げてみせる!」
そんな強い気持ちを持ち続けるのは簡単ではないからだろう。
何か困難にぶつかると、人はすぐにあきらめてしまう。
また、気がついたらついつい楽な方に流れてしまうというのも人間というものだ。
でも、何かを成し遂げるにはやっぱり強い意志が不可欠だ。
企業の経営者だって、小中学生だって同じだ。
江戸時代だって令和の時代だって同じだ。
だからこそ、いつの時代でもこうした意味を持つ言葉をみんなが大事にするのだ。
時代を超え言われ続けているのだから、真実だと考えてよいと思う。
受験が始まった受験生も
あとに続く後輩たちも
生徒たちを応援する保護者の皆様も
みんな「為せば成る!」との
同じ気持ちで歩んでいきたい。