太陽はあきらめなかった
昨日の雪は積もらなくて本当によかった。
でも、帰宅するときには大変だった。
車の温度計は外気温がマイナス3度!
道路が光っていた。
慎重に慎重に。
いつもの倍くらいの時間をかけて
ゆっくり帰った。
そして、今朝は一転快晴だった。
やっぱり晴れがいいなとしみじみと思った。
窓を開けて換気をした。
昨夜の凍てつく寒さとは違い
心地よいひんやりとした新鮮な空気が
暖かな日差しとともに室内に流れ込んでくる。
ふと、北風と太陽の話が頭に浮かんだ。
北風と太陽が「旅人のマントを脱がせる」競争をして、
「旅人のマントを温かさで脱がした太陽の勝ち」となっているあの話だ。
多くの人は太陽の勝利と考えているはずだ。
でも実は両者「一勝一敗」だったのだ。
つまり、一回ではなく二回勝負したのだ。
もう一つの勝負は「帽子脱がせ」競争。
有名な「マント脱がせ」競争の前に、
最初の勝負はそれだったのだ。
「帽子脱がせ」競争だが、
太陽が燦々と光を浴びせると、
暑くてたまらない旅人はしっかり帽子をかぶり、
決して脱ぐことがなかった。
次に北風が、ぴゅ~と強い風を吹くと、
帽子は飛んでいってしまった。
北風の勝ち。
いつのまにか「片方の話」だけ聞いて、
私たちは勝手に偏った判断をしていたのだ。
一寸北風が可哀想に思える。
このような寓話は私たちに教訓を与えてくれる。
太陽の熱も、北風の寒さも「物理的な力」という点では一緒だから
「状況に応じて、適切な手段が異なる」という教訓を得ることもできる。
しかし、私はあえて違う教訓をもう一つ加えてみたい。
それは・・・・・
「勝つまでやる!」
旅人の帽子やマントを脱がせる勝負などで
太陽や北風の価値が決まるわけではない。
太陽や北風の真の価値はもっと別のところにあるものだ。
しかし、勝負しなければいけない。
勝負の結果は勝者か敗者の二択であり、
それ以外はない。
一度の勝負で
負けたくらいで
太陽の価値が否定されてよいのだろうか。
いや、そんなことはあってはならない。
だから、勝つまで勝負すればいい。
大切なのはあきらめないで
挑戦し続けること。
ある中高一貫校の先生がおっしゃっていたことを思い出した。
その学校では
中学受験で入学した生徒全員に高校入試問題を解かせているそうだ。
どのような結果になるかと訊いてみると
合格点が取れない生徒も一定数いるとのこと。
その生徒たちが内部進学ができなくなることはないらしいが
仮に、その学校に入学していなくて
高校受験をしていたら不合格だ。
つまり、一勝一敗。
逆に、中学受験でその学校に合格できなかった生徒が
高校受験で合格点を取って合格することもあるという。
その生徒も一勝一敗だ。
過去問で合格点が取れなくて
敗北感を味わってしまっている受験生がいる。
それじゃあ、本番までやれるだけのことをやって
合格すれば、一勝一敗だ。
私は受験に関わる仕事をしているが
受験で人の価値が決まるとは思っていない。
人の真の価値はもっと別のところにあるものだ。
しかし、勝負しなければいけない。
勝負の結果は勝者か敗者の二択であり、
それ以外はない。
一度の勝負で
勝ったとか負けたくらいで
人の価値が決められてよいのだろうか。
でも、
たかが受験されど受験なのだ。
受験の必勝法は・・・・・・
あきらめないで勝つまでやること。
それしかない。