一歩の違い
徒歩で東京から大阪まで行くことができたら
百万円あげるという懸賞があって、
東京から大阪までちょうど十万歩かかるとしたら、
一歩いくらでしょうか。
考えてみてください。
百万円を十万歩で割って、十円と計算した人が多いと思います。
確かに、この計算は間違っていません。
しかしこの答は真実に合っていません。
もしこの答が正しいならば、
たとえば大阪まで行かず途中でも一歩が十円、
三歩で三十円ということになります。
でも、途中でドロップアウトしたら、それまでの賞金はもらえません。
十万歩全部そろってはじめて百万円になるのです。
もし一歩でも足りなかったらゼロ円で、
それまでの努力はフイになるのです。
だから最後の一歩に百万円の値打ちがあるとも言えるでしょう。
とすると、答えは一歩だけならば0円となりますね。
しかし、どの一歩も一歩であり
その意味では同価値と言えるでしょう。
だとすると、
答えは、一歩百万円が十万歩並んで、
それで合計百万円になるという奇妙なものになります。
どちらの答えも
一歩一歩の積み重ねが大切であり
十万歩に一歩でも足りなければ
価値がないという考えから成り立っています。
これは受験と同じですね。
合否を分けるボーダーライン付近には
多くの受験生たちがひしめき合います。
ボーダーラインの上と下は紙一重の違いしかありません。
文字通り紙一枚の違い。
十万歩と九万九千九百九十九歩の違いと同じです。
わずか紙一枚や一歩の違いで明暗が分かれるのです。
あと一歩・・・・・
あと一問・・・・・
あと一点・・・・・
不合格になったときのとてもとてもくやしい気持ちを先取りすることが
今、目の前の一問一問を積み上げていくことができる原動力となるのです。
合否と分ける一問の違いのために
一体何問もの問題を解くのかは分からないけれど
やれるだけやらなければ
後悔してしまうのではないでしょうか。
直前期の受験生たちは当然、
下級生たちも自分のこととしてとらえ、
早く動き出したもの勝ちですよ。
受験こそ先手必勝なのですから。