映画
昨日の小学生の授業で、
「チャップリンって?」って質問された。
今までに聞いたことがないと言っていた。
その生徒に、ノートパソコンで検索した
1977年、今から44年前に亡くなった世界の喜劇王の画像をみせた。
チャップリンと言えば、彼の作品を解説していた映画評論家が頭に浮かぶ。
チャップリンをこよなく愛した映画評論家の淀川長治さんは
「希望です。映画から学んだものを、ひとことで言えば希望です」とよく語っていたという。
死や不安を恐れていては何もできない人生になってしまう。
どんな逆境にも絶望しないことを映画が教えてくれたという。
八十九歳で永眠するまで、銀幕に惜しみない愛を寄せた。
淀川さんには、ある日課があった。
毎日手帳を開き、過ぎ去ったその日に赤線を引くこと。
「今日が人生最後の日」との思いで生きた、ひとつの儀式。
ゴールを見すえないと全力疾走できないように、
死を覚悟することで、淀川さんは精一杯、生きた。
映画のスクリーンには、もともと何もない。
数時間の物語が浮かんでは消える。
どんな映画にも必ずエンドマークが出る。
限りある物語という点では、人の一生も同じである。
我が人生を映画にたとえれば、
どれだけ自分らしく、
人に希望や満足感を与える日々を演じているだろうか。
チャップリンのの名作『ライムライト』にこんな言葉がある。
「死と同じように避けられないもの。それは生きることだ」
悔いなき一日を積み重ね、一生を充実のなかで劇のごとく生き抜きたい。
少年老い易く学成り難し、なのだから。