65パーセントルール
県教育局は、2019年4月に県内国公私立高校に入学した生徒の状況調査(速報)を発表した。全日制・定時制の入学者総数は前年比1255人減の5万7208人で、7年連続で減少。全日制では、公立高校への入学者が前年比563人減の3万7679人、私立は661人減の1万8195人だった。
入学者の構成比は過去約10年間、公立が減り私立が増える傾向にあったが、19年度は逆となった。入学者総数に占める公立入学者の割合は65・9%(前年度比0・5ポイント増)だった一方、私立高校入学者の割合は31・8%(同0・5ポイント減)にとどまった。
同局教育政策課は「公立、私立を問わず入学者が減少しており、少子化により全体の入学者数が減少した影響が大きい」と指摘した。
全日制公立高校入学者のうち、県内中学校卒業者が占める割合は前年比0・1ポイント減の98・4%だった。私立高校入学者のうち県内中学校卒業者は同0・1ポイント増の90・6%(1万6487)だった。
埼玉県の中学3年生の65パーセントが公立高校に行けるように公立高校の入学人員が毎年7月ごろに発表されています。
いわゆる65%ルールです。東京都は私立高校が多いのでもう少し少ないです。
今年は65.9%とのこと。
少子化が進行しても、公立高校に入れるのはその年の中3在籍性の65パーセントだけ。
公立高校は常に一定の競争が保たれているということです。
さらに、不人気校は統廃合や学級数を減らしたりします。
65パーセントの受け入れ先から不人気校が徐々になくなっていけば、公立人気もより高まるはずですね。
平成25年埼玉県議会6月定例会でのやりとりがわかりやすいですので、以下議事録をご覧ください。
Q 田村琢実議員(自民)
まず、学則定員という言葉をご説明いたします。これは各学校の学則によって定められた収容定員のことでございます。その根本的定員数の基礎となっているのが公私間比率というものであります。埼玉県においては、昭和50年代の初めに、今後の生徒急増期への対応を図るため公立高校における生徒収容割合を65パーセント、残りの35パーセントを私立が受け持つという申し合わせの下、県立高校を整備し、運営が図られてきました。しかし、現在のような生徒の減少期においても引き続きこの申し合わせが存在することで、公私間の自由な競争を阻害し、私立にとっては大きな壁となっております。昨今、大分県や関東の都県でも公私の比率の見直し、検討が行われてきました。生徒急増期に取り決めた割合や制度を4半世紀も温存し、生徒減少期である現状にそぐわない状況となっておるのでございます。
また、埼玉県における公私間比率の問題は、比率の計算方法にも及びます。東京都は、公私間比率を公立中学校に在籍している中学3年生で、他県への進学を除く生徒の収容割合と定義していますが、一方、埼玉県では、公私比率は埼玉県全ての中学に在籍している中学3年生の県立高校に進学する生徒の割合と定義しています。つまり私立中学校から県立高校に入学する生徒が存在すると定義し、その数を割合に算入しているのであります。そもそも私立中学校から公立高等学校へ入学する生徒は皆無であると言えます。また、埼玉県は県外から県内の私立中学校へ通う生徒数も加算し、かつ県外へ進学するであろう生徒も分母に加算して計算されているのです。よって、実質的な65対35という比率にはなっておらず、埼玉県は、まず埼玉県の公立に進学する生徒の枠を確保し、それ以外は全て私立の割合とした計算を行っているのであります。
そこで、まず、比率の計算方法の改正を早急に行う必要があると考えますが、教育長のご所見をお伺いいたします。また、そもそも比率の見直しを私学の努力と市場原理に委ねる方向で変更する必要があると思いますが、教育長のご所見をお伺いします。
A 前島富雄 教育長
まず、「比率の計算方法の改正を早急に行う必要がある」についてでございます。
計算方法につきましては、これまでも中学生の進路希望状況や保護者のニーズなどを踏まえ、埼玉県公私立高等学校協議会の場で話し合い、確認を行ってまいりました。今後も引き続き同様に協議してまいります。
次に、「比率の見直しを私学の努力と市場原理に委ねる方向で変更する必要がある」についてでございます。
県立高校におきましては、平成11年度から25年度にかけ、中学校卒業者の急激な減少や多様化する教育ニーズに対応するため、生徒募集が困難な学校を対象に再編整備を行ってまいりました。
その結果、平成25年度入学者の全日制普通科における最終的な欠員はありませんでした。
県教育委員会といたしましては、今後の公私比率については、この協議会におきまして、中学生や保護者のニーズをしっかりと把握しながら、協議したいと思います。
そして何よりも大切なのは、公立高校と私立高校がお互いに切磋琢磨しながら、生徒と保護者の立場に立って、埼玉教育を発展させることであると考えております。