竹
タケノコのおいしい季節がやってきました。
何となく、竹は種子ではなく、
苗であったり地下茎などで増えるイメージを
持っていませんか?
孟宗竹(もうそうちく)という竹は種子で増えると言われます。
では、竹の種子を見たことがありますか?
調べてみました。
なんと、アマゾンで竹の種子が売られています。
レビューには
中国から直送されるとの記述もあります。
買って、ベランダで育ててみようかと興味が湧いてきました。
それはさておき、
竹は不思議な植物で、
私たちは竹について
まだ分からないこともたくさんあるのです。
例えば竹の花、
↑こんな感じです。
竹の花が咲くと、
一斉に枯れてしまうと言われています。
昨年4月、徳島県で竹が開花して話題になりました。
https://www.topics.or.jp/articles/-/192736
さて、竹は種をまいてから最初の 4 年で
わずか3センチメートルくらいしか伸びません。
竹のことをよく知らない人が
竹を種子から育てると、
頭を振って「竹は種から育てるものじゃないんだ」
とか「育て方が違うのか」などと言うでしょう。
4年間で3センチメートルほどしか育たないのだから、
もしかすると
育てることをあきらめてしまう人もでてくるかもしれません。
しかし、竹は5年経つと突然、
毎日 30 センチ近いスピードで伸びます。
6 週間で長さが約 15 メートルになって、
ものすごいスピードで緑の竹林ができあがります。
4 年間でほんの3センチメートルほどしか伸びなかったのに、
5年目からものすごい勢いで成長し始めるのです。
では、最初の4年間は本当にほとんど成長していなかったのでしょうか。
違います。
実は、その 4 年間で竹は、見えない部分で成長をしていたのです。
4年間の間に竹の根は既に土の中で数百メートルも伸びていたのです。
そして、高い竹林をがっちりと支える土台を完成させていたのです。
その土台があるからこそ、竹は驚異的な成長ができるのです。
気の遠くなるくらいの時間をかけて
一瞬のような爆発的な成長の準備をしていたのです。
さて、私たちの周りにも竹のような人がいるはずです。
長期間にわたり、一生懸命努力しても、成果が見えない人、
長期間にわたり、ほかの人が気付かないところで粘り強く頑張り続けている人。
他人が彼らを見た時、あきらめた方がいいと思うかもしれません。
しかし、彼らは成長していないのではなく、
とても深くて丈夫な根を伸ばしていると考えることができます。
そして、機が熟した時に、
他人には届かない高さまで成長を遂げるのです。
今、小中学生は、竹のような根を伸ばしている段階にいます。
だから、ちょっと努力しただけで、
テストの点数がなかなか上がらないとか、
合格できるか不安で仕方がないとか、
目に見える「結果」ばかりに目を向けて、
嘆くのは愚かなことです。
そんなことで、肝心な日々の努力を
おろそかにしてはいけません。
がんばっているけれど、
自分の思うような結果が出せていないときは、
今は自分自身の根っこが少しずつ成長している時だということを
思いだしてください。
見えない部分の成長が、
見える部分の大事な基礎になります。
今は結果が出なくても、必ずや大きく成長できることを信じて
努力を続けていくことが大切なのです。