一見遠回りに見えても
映画「ベスト・キッド」で
わずか2か月後に
不良グループのリーダーのいじめっ子と
少年空手選手権で
対決することになった主人公の少年に、
コーチを引き受けたミヤギさんは、
空手とは一見かけ離れている
ワックスがけやペンキ塗りといった雑用ばかりさせた。
少年は
ミヤギさんの意図をつかめずに雑用をやる。
しかし、一見雑用にしか見えない練習こそが、
空手の動きをマスターする特訓であったのだ。
この特訓の場面はとても示唆深いと思う。
素人の少年には空手の鍛え方が分からないのは当然。
ワックスを拭き取る動作が、
防御に役立つ動きだと知るのは
後になってからのことだ。
少年はずっと、
道着を着て、
道場で試合に勝つための稽古をしてほしいと
思っていた。
そういうわかりやすい鍛え方もあるだろう。
しかし、
ミヤギさんの教えはそうではなかった。
少年が偉かったのは、
ミヤギさんの教えをやりぬいたこと。
空手だって
学習だって
上達の道は一つだけじゃない。
大切なのは
自分の成長を信じてやり抜くこと。
ズバリテストに出る問題だけを
勉強したがる人もいるだろう。
それが楽に思えるからだ。
実際はそんな都合よくはいかないのだけれども、
定期テストならば、
ワークやプリントをしっかりやることで
かなりカバーできていると思う。
でも、定期テストは範囲も短いし
点数が取りやすいテストだ。
入試とは次元が違う。
楽だと思う自分勝手なやり方で
本当の実力がつくわけはない。
時期が来て
困るのは自分自身なのだ。
そして
困ったときには
時すでに遅しなのである。
あなたのまわりには
ミヤギさんがいるだろうか。
もし
いるのならば
日々、疑いの気持ちを持たずに
ミヤギさんの考え出した
トレーニングメニューを
愚直に実践していくべきなのだ。
辻本塾は小さな塾だ。
小さいからこそ
一人ひとりを辻本が指導できる。
生徒たちにとっての
ミヤギさんでありたいと
心底思う。
もうすぐ新年度がやってくる。