青雲の志
昨日
浦和高校2の投稿で
「青雲の志」って言葉を書いた。
一寸、この言葉を補足しておきたい。
中国では,空には 五色の雲があるとされていた。
五色の雲のうち最も高いところに生ずるのは
青い雲、つまり 「青雲」 。
「青雲」 を 「高位高官」 に例えて、
高位高官に就くことを目指す、
つまり、立身出世を志す心を「青雲の志」というのだ。
中国・唐代初期の詩人・王勃(おうぼつ)の著書「滕王閣(とうおうかく)序」に
「窮しては且 (まさ) に益 (ますます) 堅 (けん) ならんとして,
青雲の志を堕 (おと) さず」とある。
意味は、「貧乏している時は,ますます意志を堅くして,
高位高官に栄進しようとする志をいつまでもなくさないように努める」である。
この言葉に共感しにくい世の中になってきたのかもしれない。
日本の世の中全体がかつてより豊かになってしまったから。
だから、立身出世とかそういったことは自分には関係ないって
無関心も多いし、
今が貧しい境遇だから
将来
お腹いっぱい食べたい
りっぱな家に住みたい
欲しいものが買いたい
などなど
そんな願望を持っている子が
どれだけいるのだろう。
どうだろうか
食うに困るような家庭はかつてよりもだいぶ少なくなったのではないだろうか。
幼いころから我慢もせずに欲しいものを与えられてきた子も多いのではないだろうか。
全ての家庭がそうではないが
多くの家庭が豊かになったのではないか。
修学旅行の積み立ても
昔ながらに続いているのだが
今は普通に一括で払える家庭も多いのではないか。
留学だって
親が出してくれる家が多いのだろう。
親が出してくれなければ
あきらめるのかな。
浦和高校OBが会長を務めるスーパー
ヤオコーでは
留学のための給付型奨学金を創設している。
https://www.ggsaitama.jp/for-japanesestudying-abroadscholarship2/
足を使って歩いてみれば
いろいろとやり方はあることが分かる。
豊かに育てられた
子どもたちが
このままでいい
このままがいい
って思ってしまう環境が与えられているのではないか。
現状維持は相対的位置低下だ、
つまり衰退だからね。
浦和高校では
住民税免除家庭は全在校生の4%のみであるという。
1クラス当たり1人か2人だけ。
その1名か2名は
多くの子が当たり前って思い、
感謝もできないようなことに
感謝できるのだろう。
もしそうだとすると
その4%の子たちは
長い目で見れば
恵まれた環境に
いるのかもしれない。
しかし、
恐らく、御三家中高では
住民税免除家庭はゼロであろう。
はるか水平線のかなたに夢を描き
躊躇なく
海外の大学の下見などに
出かけていく子もたくさんいるから。
フットワークが軽い、
経済的に恵まれている家庭が多いので
自己投資には
ためらいがない。
皆が皆「青雲の志」を持つ必要もないし
そもそも皆が「青雲の志」を持っている学校もない。
学力的にはどの学校も下位30%くらいまでは大変なことになっているし
成績上位者がすべて
青雲の志を持っているってことでもない。
だから難関大学に合格した後は
伸びきったゴムのようになってしまう子も多い。
人生100年時代って言われだしている。
今の小学生低学年ぐらいの子だったら
平均寿命を考えたら
22世紀を生きて迎えるだろう。
大学を卒業してから
50年くらいは普通に働いていることだろう。
いい高校に入って
いい大学を出たら
いい就職ができるから
一生安泰ってのは
昔話。
こんな時代だからこそ
人生の節目で
果敢に挑戦できる
人間になるために
なんでも学びつくそうっていう
骨太な考え方も
いいと思う。
同じくらい大切な
人づきあいや人生観は
学校っていうよりも
家庭の役目のほうが大きいかな。
家庭での普段のコミュニケーションで
途方もないくらいの時間をかけて
身についていくもの。
人を好きになって人から好かれなければ
人の心を動かせないからね。
これらの両輪がそろっている子は
どんな環境でも逞しく立派に生き抜いていける。