全体と個々別々と
「人類を全体として愛すれば愛するほど
個々の人間を
つまり独立した人格としての個々別々の人間を
愛することが少なくなる」
ドストエフスキー作『カラマーゾフ兄弟』の一節である。
「人類愛」は美しい言葉だ。
目指すべき大いなる理想であろう。
その理想に燃えつつも
しかし実生活においては
“とげとげしい人物”が時にはいる。
相手のささいな仕草が気に食わず
やたらと不機嫌になる人間が……。
作家は
そうした理想主義者の陰影を
物語っているのである。
塾も同じ。
全体ではない。
目の前の一人ひとりだ。
今までも
これからも
ずっと
このキモチを忘れずに
そんな塾を創り上げていきたい。


