生徒への対応
ある中学校でのこと。
合唱の練習中
隣の生徒に話しかけてばかりいた男の子を
教諭が強くたしなめた。
一方
ダンスの練習中に
遊んでいる女子生徒たちには叱ることなく
「見てあげるから、やってみよう」と。
男子生徒も
女子生徒も
真剣に歌い
踊った。
生徒への対応が
なぜ違うのか?
教諭は答えた。
男の子は隣と話すことで
歌うことへの不安な気持ちを
ごまかしていた。
だから叱った。
女の子たちは
はしゃぎながらも
教諭に視線を送っていた。
〝私たちを見てほしい″
というサインを発していたのだ。
子どもたちの表情・態度は
そのまま心の表れであるとは限らない。
照れや恥ずかしさで
思いとは反対のことを表現することもある。
その気持ちをどうくみ取り
対応してあげられるか。
そこに信頼の絆が生まれる。
言葉や振る舞いだけでなく
その奥にあるものは、何か。
声にならない声を聞き取り
子どもの心音が伝わってくるような
濃やかなかかわり合いをしていきたい。
人を育てるには、その人の心を知ることが大切なのだから。