腐敗と発酵

「甘酒」は夏の季語だろうか?

 

それとも冬の季語だろうか?

 

答えは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「夏」だ。

 

意外に思ったが

 

江戸時代

 

甘酒は真夏の飲み物だったというのである。

 

当時の甘酒は

 

現在の酒粕を溶かしたものとは違って

 

炊いたお米に米麹を加え

 

一日、発酵させたもの。

 

そうすると

 

ブドウ糖やビタミンB類

 

アミノ酸などを豊富に含む。

 

いわば

 

夏バテ防止の

 

栄養ドリンクだったのである。

 

お米が栄養満点の甘酒になるには

 

「発酵」が必要だ。

 

発酵の原理は

 

微生物がかかわるという点では

 

「腐敗」と同じ。

 

違うのは

 

生成されるものが

 

人間に有益か有害かだという。

 

 

 

 

 

思い通りに事が進まないとき

 

気が滅入ることを「腐る」という。

 

腐敗から転じた意味だ。

 

一方で

 

思い通りにならない困難であっても

 

それを克服し

 

勝利感が味わえれば

 

それは「発酵」といえるのではないだろうか。

 

 

 

大学受験生の卒塾生がやってきた。

 

才能はあるけれど

 

努力が足りないタイプの生徒だ。

 

志望校もしっかり定まらず

 

やる気も湧いてこないようだ。

 

まさに「腐りかけ」の状態だ。

 

 

 

 

私がアドバイスしたのは

 

一番行きたい学校に挑んでみようということ。

 

よく聞いてみると

 

一番行きたい大学は

 

ムリじゃないかと思っているようだ。

 

だったら

 

そこに合格できるように真剣に挑戦しよう。

 

そうすれば

 

発酵していく。

 

鍛えられていく。

 

最後まであきらめない気持ちで進もう。

 

この心こそが彼女にとって

 

最も豊かな滋養となるのだから。

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