病院から着信があった。
昨年の定期検診で
要再検査の項目があったのだけれども
もう再検査を受けられていますかと訊かれた。
すっかり忘れていたので
受けていないと答えたら
受けてくださいと。
近所のクリニックを予約することに。
内視鏡検査は生まれて初めてだ。
当日、看護師さんから注意事項を教えてもらった。
看護師さんが
「私の経験では・・・・・」
といろいろ分かりやすく説明する。
こっちの緊張も理解してくれたうえでの
思いやりを感じる。
検査の最中も声をかけ続けてくれた。
「大丈夫ですか?」
検査が終わったら
「ご気分はいかがですか?」
こちらの立場に立った一言に
心が温かくなった。
初めてだから分からないけれど
内視鏡も以前よりはだいぶ楽になったようだ。
医療にとって
技術の進歩が大事なことは言うまでもない。
それ以上に
言葉の重要性が増していると
医師の鎌田實氏は指摘している。
人間を相手にするからには
「言葉を扱う職業」との認識に立て、と。
例えば
患者の側が薬や治療の説明を求めても
「素人にはわからないよ」
と不愉快な顔をする医師がいる。
そうした言動が
患者に不信や不安を抱かせ
ひいては生命力を減退させかねない。
氏は訴える。
「丁寧で、心をちょっと支えるような言葉が必要」
「生きる力を注ぐ言葉が大事」
医療の現場だけではない。
塾だって同じだ。
言葉は
人間関係を円滑に導く“橋渡し”だ。
だが今、対話を断ち切ろうとする
“素っ気ない”
“冷たい”
言葉があふれてはいないか。
心を傷つける言葉が横行すると
人間も社会も病んでいくばかりだ。
生徒の成長を喜びたたえる言葉
悩んでいる生徒を勇気づける言葉。
そんな言葉で
新年度をスタートさせていきたい。