雑草
すっかり肌寒くなった雨上がりの朝。
一本の草に目が留まった。
アスファルトの割れ目から懸命に茎を伸ばしている。
いつから生えていたのか。
背丈は20センチくらい。
緑の葉を雨露にぬらし
秋の日差しに照らされてキラキラと輝いている。
ほんの少しの隙間さえあれば
命を芽吹く雑草のたくましさに
しばし時間を忘れ
見入ってしまった。
名もなき草が
どんな場所からも命を育むことができるのは
太陽の光と雨の恵みが
相手を選ばず
平等に降り注ぐからこそである。
“どうせ自分なんて……””もう仕方がない”
と自分で自分を卑下し
諦めてはいけない。
どんな状況にあろうとも
可能性を信じ抜く限り
幸福の未来が、必ず開かれていく。
懸命に生きる不屈の姿が、いつか誰かの希望ともなる。