読書の秋
スロー・リーディングが注目されている。
「本をゆっくり読むこと」を指す。
速読術のノウハウが語られる風潮の中で、
もう一度、読書の原点に立ち返ろうとする試みとも言える。
読む速度によって本の印象は大きく変わる。
年間〇〇冊読破!
こんなことを聞くと、多読・速読を意識してしまうことも。
でも、ゆっくりページを繰ってこそ
気がつく珠玉の言葉もある。
自分に合った、多様な読み方があっていい。
まことに至福の読書とは
読むリズムと理解の速度が
呼吸・心拍とも連動した「本と心身とのアンサンブル」に違いない。
身読という言葉がある。
身で読む
すなわち学んだことを実践する、との意味である。
読書の秋。
良書をじっくり味わって
人生の糧としたい。
本をめぐって語り合えば
人間の輪も大きく広がる。
読書とは、孤独な時間ではない。
人間世界の最高に尊い営みの一つである。