米づくり、人づくり
スーパーで「新米入荷」の宣伝文句を目にした。
それにしても、今年は米価が高騰している。
農水省の全国の今年の作況指数は「やや良」とのことなのだが。
さて、古くから日本人に愛されてきた白米。
各地の米どころといわれる場所は
収穫量が多かったり
良質の米がとれたりする生産地だ。
おいしい米が育つ環境とはどういうものか。
それを探るために
ある時、料理人の神田裕行氏が米どころに出かけた。
美しい川の両側に広がる水田。
氏は農家の人に
良い土ときれいな水がおいしいお米を育てるのですね
と聞いた。
答えは意外なもので
良米をはぐくむ条件は
夏の日照りや
厳寒のような
厳しい環境だという。
つまり
米が懸命に根を張ろうとする
ぎりぎりの環境を
どう作れるかが大事であった。
「よい環境とはある意味逆境である」
と氏は自著に記している。
育つ力を培うのは
順境ではなく逆境との観点は
米作りだけでなく人間にも通ずる。
小中学生の学習でも
苦労を引き受けてでも進む学び方を貫いてほしい。