音読について
『英雄伝』で知られる帝政期ローマの著述家プルタルコス。
その著『健康のしるべ』には
「毎日声を出して言葉を使う」ことが大切と記されている。
古代ローマでは
声を出して哲学書を読み
詩歌を吟じることが
身心の健康に益すると考えられていたのだろう。
彼は、声の効用を
「健康が維持できるだけではない、力もつく」と言う。
「力」といっても筋骨がたくましくなるのではない。
「体の中で最も生命に満ちた主要な部分に力を宿らせ、
本当の張りを生むようにさせる、そういう力だ」と。
小学生までは音読をやっていたけれど
中学生になったら音読をやらなくなる生徒は多い。
これは非常にもったいないことなのだ。
健康と生命力だけじゃない。
学力だって学習法なのだから。