なみだ
なみだは人間の作るいちばん小さな海です
詩人や劇作家などで活躍した寺山修司氏の言葉だ。
いくら小さかろうが、海は海。
物理的指標では比べようのない
わずかな涙が海に例えられるのは、
涙に宿る意味の深遠さゆえであろう。
人は喜怒哀楽に伴って涙することがある。
一滴、一筋の涙には
それを流した人の感情がつまっている。
中には果てしなく大きくて深い思いもあろう。
やはり“海”なのである。
3年前、第一志望の高校に不合格、
悔し涙を流した生徒がいた。
悔しいね。
3年後に「ここでよかった」といえるくらい大成長しよう。
そう誓った。
そして、3年後。
見事に難関大学に合格。
部活動をはじめ高校生活も充実した。
「あの高校に合格していたら、ここまで成長できなかった」
そう語った目にはうっすらと光るものが。
寺山氏の別の言葉にある。
なみだは
にんげんがもっている
いちばん透明な宝石です
あのなみだは人生の宝石に違いない。