失敗
「僕は、戦いに敗れることを活力源にして次々に戦いをいどんでいる」とは
映画界の巨匠・黒澤明監督の言葉。
栄光と挫折が交差するその生涯は
多くの示唆を与えてくれる。
敬愛するドストエフスキーの『白痴』を映画化した時のこと。
気負い過ぎたのか
作品は不評で
評論家も辛辣だった。
順調だった矢先の出来事に落胆は大きかったという。
だが監督は転んでもただでは起きなかった。
自分では気付かない視点を取り入れようと
周囲の声に真摯に耳を傾けた。
自ら書き進めたシナリオも
批判があれば何度もやり直した。
こうして完成したのが名作「生きる」であり
「七人の侍」である。
彼が人生を懸けて追求したのは「人間の幸福」だった。
失敗から学べる人は強い。
その経験を教訓として生かせるからだ。
学習においても
本当の成績上位者は
失敗から反省し
次に活かしている。
失敗は誰人にもあり
それ自体が良し悪しを決めるのではない。
試練に心を折られるのか
成長と成功への出発点とできるのか。
その鍵は、気持ち次第である。