眼前の現実
トルストイが悩める友に教えた民話を紹介したい。
皇帝が三つの質問の答えを探していた。
「一番大事な時はいつか?
この世で一番大事な人は誰か?
今何をなすべきか?」
賢者に聞いても分からない。
落胆して散歩に出たときに出会った少女に尋ねると
「一番大事な時は今この時
大事な人は今自分の横にいる人
なすべきことは自分の横にいる人に善を行うこと」と。
皇帝は喜び
少女が持っていた重い井戸水を
代わりに運んであげたというもの。
“あれこれ悩むより
かけがえのない今を悔いなく生きよ!
眼前の現実と向かい合え!”と
文豪は友を励ましたのだった。
人は悩むと観念の迷路に陥りがちだ。
だが、行き詰まりを打破するには
ほんの少しの勇気をだして
行動するしかない。